気づいて、調べて、考えて。【生き物観察日記 in 石垣島】ムカデミノウミウシの欲張りな生態?

最後の寒波?だったでしょうか。昨日までの北風ピューピューから一転、晴れ渡って気持ちのいい石垣島です☀️ とってもいい天気なのですが、3度目のワクチン接種を昨日終えたばかりなので、お家で安静にさせてもらっています。

ムカデミノウミウシ

体外から取り入れたワクチンによって、僕の体内では今免疫が作られているわけなのですが、同じように外界から取り入れたものを利用している生き物いないかなぁー?と考えたときに、ふと思い浮かんだのがこちらの「ムカデミノウミウシ」🔼。体長19センチに至ったという記録もあり、比較的大型の細長いウミウシです。105mmのレンズでは大きすぎる個体でしたので、上の写真では触覚部分だけにピントを合わせて撮影しています。もっと絞って、意外と可愛らしい「お目目」も写せばよかったなー、。という後悔はここだけの話にしておきましょう😅笑

こちらのウミウシ、沖縄ではよく見かける種なんですが、実は面白い生態を持っている生物でもあります。注目すべきは背中にある突起物。その名も「背側突起」。はい、そのままですね笑 ミノウミウシの仲間は餌であるヒドロ虫類(クラゲの親戚みたいなもの)から、「刺胞」という毒針を発射する細胞を取り込み、自分の背側突起に蓄える生態を持っています。ですので、素手でこねくり回すのはオススメしません。そもそも可哀そうですしね(>人<;)💦 そーっと、優しく観察&撮影してあげてください。

食べたものから武器を得る。これだけでも凄いのですが、さらにこの「ムカデミノウミウシ」、背側突起に褐虫藻という「共生藻」も取り込んでいるという欲張りなヤツなんです。「褐虫藻」といえばサンゴとの共生が有名ですが、このムカデミノウミウシも共生藻が光合成で作り出した栄養分を分けてもらっているわけです。武器も栄養源も兼ね備えている「背側突起」、いやはや凄いですね!(*’ω’*)✨

ムカデミノウミウシ 幼体

もう少しこのウミウシについて掘り下げてみましょうか。上の写真は「ムカデミノウミウシの幼体」を写したものになります🔼。(今回は可愛い「お目目」が写ってますね!笑) 幼体の頃は成体に比べて体色が白っぽい淡い色になっています。なんとこの時は、まだ褐虫藻と共生していないんだとか!(@_@) 成長していくにつれて褐虫藻を取り込んでいくそうなんですが、それが食事由来なのか、そうでないのかは、今現在も研究が進められているところみたいです。僕が調べた限りでは、結論は見つかりませんでした。

最初の写真の「成体」が浅い水深の日がよく当たるところで良く見られるのに対し、2枚目の「幼体」は少しそり返っている岩の壁などでしか僕は見たことがありません。上の写真を良く見ると食べものである「ヒドロ虫類」が、そこここに生えていますね。ここからは僕の推測なのですが、幼体の時は食べ物の多いところで過ごし、成長して褐虫藻と共生するようになると太陽の当たる場所に移動して、光合成由来の栄養をあてにするようになる。ということなんでしょうか? 今後も注意して観察を続けますね!٩( ‘ω’ )و

さてさて今日は、「ムカデミノウミウシの欲張りな生態?」についてお送りしました!今後も海の中で出会った不思議なことについて、こんな風に書いていきますので、良ければお付き合いください(^o^) これまでの記事はこちらへどうぞ ➡ 【生きもの観察日記】
以上!本日のブログでした!!

石垣島北部の海と、お待ちしています。
ダイビングサービス 鱗 代表:林 拓弥





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