気付いて、調べて、考えて。【生き物観察日記 in 石垣島】宿主(ホスト)は辛いよ、。?

台風11号(ヒンナムノー)が過ぎ去っていきまして、ぐっと秋らしい気候になった石垣島です。海中では水温が2〜3℃下がったところもあるそうで、陸も海も次第に秋になっていくのでしょうね。かなり進んでいたサンゴやイソギンチャクの白化も、これから回復していくのでしょうか?要観察ですね(*’ω’*)

僕の海での仕事は台風で飛んでしまいまして、まだ通過後の海へは潜れていないので、今日は台風前に出会った カクレクマノミの「気になる行動」について、ブログを書いていこうと思います。久しぶりの「生き物観察日記」ですね( ^ω^ )

さっそく、カクレクマノミの「気になる行動」について。一番大きなメスのカクレクマノミが、宿主(ホスト)であるセンジュイソギンチャクの中心部分(口に当たるところ)をしきりに突っついていました。

カクレクマノミ 産卵の様子

クマノミがイソギンチャクを噛んだり突っついたりする行動の理由。よく知られていることとしては「産卵」のため というものがあります。上の写真🔼のようにクマノミはイソギンチャクのすぐ側に卵を産むので、産卵用のスペース確保のためにイソギンチャクを刺激します。

卵の世話をする オス

続いて こちらの写真🔼のように、「育卵」しているオスがイソギンチャクの触手に噛み付いて、卵に当たらないようにするためというもの。成長したクマノミはイソギンチャクの刺胞(毒のトゲを発射する器官)への対処法を獲得していますが、卵や稚魚はまだその能力を有していません。そこで親が守ってあげているというわけですね。

さてでは今回の行動について考えていきましょう。この時観察したカクレクマノミですが、周囲に卵が産みつけられている様子はありませんでした。ということで「育卵」の線は消えますね。続いて「産卵」のためのスペース確保だったのか という線ですが、産卵前にしてはメスの腹部がそこまで膨んでいなかったような気がします。

クマノミ類には食べきれない食料をイソギンチャクに備蓄するという習性もあるそうですが、何かを食べている様にもみえません。僕が気づけなかっただけかもしれませんが💦

さらに調べてみると、アクアリスト(水槽飼育愛好家)の方が書いたWeb記事に気になる記述がありました。曰く、「弱ったイソギンチャクを刺激して活性化させるため」だそうです( ;∀;) 💦
確かに上の写真🔼のイソギンチャクは、高水温による白化が進み 元気がなくなっている状態。クマノミは突っついて宿主(ホスト)を活性化しようとしていたんですかね!? 僕だったら、元気がない時はそっとしておいて欲しいものですが( ; ; )笑

根拠となる論文までは探しきれなかったので科学的な確証ありとはいえませんが、驚きの内容の記事でした。

丸まった イソギンチャク

時には邪魔だと噛みつかれ、時には食べ残しの貯蔵庫として使われ、挙句の果てには元気が無いときに無理矢理起こされる。いやはや、宿主(ホスト)は辛いよ、。といったところでしょうか💦 これも僕の勝手な解釈なんですけどね😅

クマノミとイソギンチャクの共生関係については、双方に利益がある「相利共生」なのか、片方しか得していない「片利共生」なのか、未だ意見がまとまっていないそうで、こんなにポピュラーな生き物でもまだまだ謎があるんだなぁと思いました(*’ω’*)

以上、本日のブログ「生き物観察日記」でした!
今後も海の中で出会った事柄について、こんな風に書いていきますので、良ければお付き合いください(^o^) これまでの記事はこちらへどうぞ ➡ 【生きもの観察日記】

石垣島北部の海と、お待ちしています。
ダイビングサービス 鱗 代表:林 拓弥