プラスチックについて勉強してみる Vol.2 海洋プラスチック問題とは?
今日までの数日間はポカポカ陽気の石垣島。太陽が顔を出すと汗ばむほどです💦 あー、海行きたいなぁ_:(´ཀ`」 ∠): と思いつつも、事務仕事やらと奮闘しているこの頃。初めての確定申告、てんやわんやです😅笑
さて先週からスタートしました、プラスチックについて勉強してみるシリーズ。先週のVol.1では「そもそもプラスチックとは?」について取り上げましたが、Vol.2では少し掘り下げて「海洋プラスチック問題」について書いていきます。
ビニール袋にペットボトル、食品トレイなどなどと、人間社会に広く浸透しているプラスチックですが、一般的に使用されるようになったのは意外にも最近で1950年代のことだそう。安価で大量生産ができることから、その後50年間で年間生産量は20倍に増加しました。プラスチック製品の多くは「使い捨て」され、適切に回収されなかった一部が環境中に流出します。それらは雨や風によって運ばれ、河川から最終的には海に流れ出します。漁業で用いられる漁網や浮きなどもプラスチック製のものが多く、やむを得ず放棄されたり投棄されることもあります。既に世界の海に存在しているとされるプラスチックゴミは、合計で1億5,000万トン。そこに少なくとも年間800万トン(ジェット機5万台分の重さに相当)が、さらに流出していると推定されており、2050年には魚よりもプラスチックの方が総重量が多くなる見込みです。これらのプラスチックゴミを誤飲してしまったり、漁網などに絡まったりして、海で暮らす生き物たちに少なくない被害が出てしまっています。
また海洋プラスチック問題については、未だ分かっていないことが多く存在します。海に流出しているプラスチックゴミのうち、水面に浮くような軽いものは約7,500万トン。さらにその中で、海岸などに漂着せず、水面を漂い続けているプラスチックは約4,500万トンと推測されています。しかし、実際の観測をもとに計算されたデータによると、約44万トンとわずか1%しか観測することができていません。残りの99%は一体どこへ行ったのか。今も各研究機関で調査が続けられています。
海洋プラスチック問題の中で、特に近年注目されているのが「マイクロプラスチック」。定義としては直径5mm以下の大きさのプラスチックのことで、発生源の違いによって2つに分類されています。
一つ目の「一次マイクロプラスチック」は、かつて洗顔料や歯磨き粉に含まれていたスクラブ剤や、化粧品に含まれる装飾用グリッター(ラメなど)、化学繊維でできた衣服を洗濯した際にでる細かい繊維などをいいます。非常に小さいために排水処理場の濾過装置をすり抜けてしまい、そのまま環境中に流出してしまいます。近年ではEU圏を中心に規制が進められています。
二つ目の「二次マイクロプラスチック」は、紫外線・風雨・波・砂による摩耗などの外的要因によってプラスチック製品が劣化し生じます。海で最も多く観察されるのがこれらで、ビーチで目を凝らして探すとたくさん見つかります。
プラスチック製品には有害な添加物が含まれているものもあり、それはマイクロプラスチックになっても残ります。また石油由来のプラスチックは汚染物質を吸着しやすい性質も持つので、海面を漂ううちにそれらと結びついてしまいます。こうして自然環境に悪影響を及ぼすことを「科学的被害」といいます。
また水生生物や海鳥の消化管を詰まらせたり、取り込んだ先の消化器官で炎症を起こさせ栄養失調の原因となったりと「物理的被害」も引き起こしています。
マイクロプラスチックは食物連鎖の中で次第に濃縮され(生物濃縮)、私たちの体内にも蓄積されています。1週間に1人平均5g(クレジットカード1枚分)のプラスチックを摂取しているのでは、という研究データもでてきています。人体への影響については具体的なことは分かっておらず、現在世界中で調査されているところです。プラスチックはそもそも食用ではなく、有害な添加物や汚染物質の吸着も考えると、間違いなく良いものではないと思われます。
はい!書いてる僕自身も疲れてきてしまったので、今回はこの辺りで失礼いたします。前回より長くなってしまいましたね💦 ここまで読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m 以上、本日のブログでした!
参考にしたサイトはこちらです↓
・WWF JAPAN 海洋プラスチック問題について
・JAMSTECが挑む海洋プラスチック問題
・NHK 1からわかる!プラスチックごみ問題
・GREENPEACE ゼロから分かるプラスチック問題と海洋汚染
・ウォータースタンド株式会社 マイクロプラスチックとは
・biorius 化粧品におけるマイクロプラスチックの使用制限について
これまでの記事はこちら↓
プラスチックについて勉強してみる Vol.1 そもそもプラスチックとは?
石垣島北部の海と、お待ちしています。
ダイビングサービス 鱗 代表:林 拓弥