気づいて、調べて、考えて。【生きもの観察日記 in 石垣島】ハマクマノミの「成長」と「成熟」?

風向きがぐるりぐるりと安定しない石垣島。南風が吹いたと思ったら、昨日からは強い北風に変わり、海はかなりの時化模様。この風回り(かじまーいー)が落ち着きますと、ようやく春の訪れです٩(๑❛ᴗ❛๑)۶

さて、今日は久しぶりの「生きもの観察日記」。今回は「ハマクマノミ」について書いていきます。「1ハマ、2クマ、3カクレ」。ガイドが最初に覚えると言っても過言ではない語呂合わせですが、その内容通り、白いラインがくっきり1本入っているのが、今日取り上げる「ハマクマノミ」です。

この「ハマクマノミ」、上の写真🔼のように、幼魚の頃は白いラインが3本あります。図鑑などにも書いてありますが、成長するに伴って、後ろ側のラインから薄くなっていき、最終的には大人と同じ1本ラインになっていきます。

はい、こちらが立派に成長したハマクマノミの成魚です🔼。クマノミの仲間たちは雄性先熟という生態を持つ魚でして、まずオスとして繁殖に関わり、最終的にはメスへと成熟していきます。ハマクマノノミはクマノミ種の中でも気性が荒く、住処であるイソギンチャクに近づくダイバーにも怯むことなく、噛み付くなどの攻撃を仕掛けます。大きく成長すると、体も黒ずんできて迫力満点の強い女性といった様子ですね😅

ここまでの話は、ダイバーさんなら多くの方がご存知かと思いますので、今回はさらにもう一歩踏み込んだ内容について書いていこうかと。

実はこのハマクマノミ、生活している環境によって成熟のスピードに差が出ることが昔から観察されています。上の2枚の写真🔼からお分かりになる通り、この2匹の幼魚、身体の大きさはさほど変わりません。にもかかわらず、片や3本ライン、片や1本ラインと、成熟具合にかなり差がありますよね。

若魚の状態でも、片や2本ライン、片や1本ラインで、差がありますね🔼。
さて、これらの違いが何によるものなのか!気になりますよね!!気になって、夜も眠れませんよね!!笑

この成熟速度の違いの要因、それは!「同じ住処に、ほかのクマノミがいるかどうか」なんです。
調べたところによると、クマノミ種の成熟には他個体の存在が大きく関わっているそうで、住処のイソギンチャクに自身しかいない場合は、繁殖するための相手がいないので、オスやメスになる「成熟」よりも、身体を大きくする「成長」の方にエネルギーを費やし、逆に他の個体と一緒に住んでいる場合は、いつ繁殖に参加することになってもいいように、身体を大きくする「成長」よりも、オスとなる「成熟」の方を優先させているのではないか、とのことでした。

上の2枚の写真🔼は、同じクマノミを2月(左)と6月(右)に撮影したものですが、この期間ずっと単独で生活していたため、「成熟」よりも「成長」を優先していたということなのでしょうね。この後、他の個体がやって来てペアになれば、オスやメスへと成熟していったのかもしれませんが、残念ながらそれを観察できる前に、どこかへ旅立って行ってしまいました、。😭 自然のことなので仕方がありませんね。またの機会があれば、経過観察をしていきたいなぁと思います。

さてさて今日は、意外と知られていないクマノミの「成長」と「成熟」についてお送りしました!今後も海の中で出会った不思議なことについて、時々こんな風に書いていきますので、良ければお付き合いください(^o^) これまでの記事はこちらへどうぞ ➡ 【生きもの観察日記】
以上!本日のブログでした!!

石垣島北部の海と、お待ちしています。
ダイビングサービス 鱗 代表:林 拓弥